枚方市の小学校にPLC利用のキッズ救急”コンセントdeネット”が導入されました。

この度、全国で初めて枚方市のひとつの小学校へ教室の電源コンセントを利用した校内IPインターホン「キッズ救急 “コンセントdeネット”」を設置しました。

今回、枚方市へ設置したシステムでは、PLC(高速電力線通信)技術により各教室の電源コンセントと校内の配電盤へそれぞれ専用の通信アダプタ(PLCモデム)を設置する事で、校内へ高速(数M~数十Mbps)の通信ネットワーク(校内LAN)を構築し、そこへIPインターホン「キッズ救急」を接続し、校内LAN(情報コンセント)が未構築な環境で導入を実現致しました。枚方市では今後1年間の実証試験を経てPLCに関し有用性検証を行う計画です。

大都市圏の小中学校へ校内LAN普及の推進原動力として期待

文部科学省の推進するe-Japan構想は、2005年度までの全国小中学校の普通教室における校内LAN整備率100%を目標としていましたが、現状の普及率は48.8%(2005年8月時点)です。特に大都市圏での普及率が非常に低い事から、当社では今回の枚方市への設置を機に、『キッズ救急“コンセントdeネット”』を今後、校内LAN整備が遅れていると見られる主に東京、大阪、名古屋など大都市圏の小中学校へ本システムの導入を見込んでいます。

(注)PLCとはPower Line Communicationの略で電力線を通信回線として利用する技術。電気コンセントに専用のアダプタPLCモデムを設置して数Mbps~数十Mbpsのデータ通信が可能となる。

枚方市の事例

全国初!! 「学校の安全」「校内LANの有効活用」「教育の情報化」を
『PLC(高速電力線通信)』で実証試験

枚方市では、教育文化センター教育研究所を中心に市内小中学校への校内LAN整備と教育現場へのインターネット環境の推進計画を検討してきました。
今回設置した『キッズ救急“コンセントdeネット”』は、以下を目的としています。

①「キッズ救急」で「教室内の子供の安全」を守る。
② 先生同士の校務連絡、先生と生徒との情報共有を効果的に実現する。
③ 各教室や校内施設の既設の電力線を使い「PLC」でネットワークを構築、1年間程度の長期安定運用が可能か検証・実験する。
④ 学校のPLCネットワークとインターネットを接続し、遠隔教室のパソコンで教育コンテンツなどスムーズなデータ通信環境が実現可能か検証・実験する。

上記の「学校の安全」「校内LANの有効活用」また「教育の情報化」を、『PLC(高速電力線通信)』で実現する取り組みとしては、全国で初のケースとなります。

以下は「キッズ救急“コンセント de ネット”」の構築例です。

キッズ救急の特徴

「キッズ救急」は、各教室の情報コンセント(校内LAN)へ当社が開発したIPインターホン端末を設置するだけで以下の機能を実現します。端末のみでサーバ等の設置は不要です。

1) 教室へ不審者等の侵入時に緊急ボタンで校内一斉に緊急同報
2) 各教室間、職員室、保健室などの日常の業務連絡、校務の軽減を実現
(先生が用事伝達で校内を走り回る必要がありません。)
3) 緊急時も先生が教室に居ながら常時連絡ができるため“教室の安全”を確保
4) パソコンも同時に利用可能